時間をかけると、時間がかかる。

『どの位の頻度でどの位かかれば治りますか?』
お電話頂いたお客さまによく聞かれる質問です。
確かに、部位や症状の度合い、慢性・急性の別、日常の体の使い方などで
一概にはお答え出来ない質問です。
ましてや初対面ですらない段階で、骨格も筋肉の質や量も目にする事無く、
何回で治る、だの、いついつまでには治せる、だのは云えません。
が、とても大雑把に云える事があります。
それは、特に慢性的な痛みやしびれ・歪みが消失するには、その状態になってから治し始めるまでにかけてしまった時間分はかかる、と云う事。
つまり治し始めるまでに時間をかけると、治るまでに時間がかかる、と云う事です。
以下は実際の施術例です。

●GRさん(40代・女性)の場合
ここ1年以上、朝、寝起き時の腰痛がひどく、起き上がるまでに毎日1時間はかかるので何とかしたい、とご連絡あり。聞けばこの5~6年、年1回はギックリ腰で寝込む事もある、との事。腰椎にも骨盤にも歪みが見られ神経痛も伴っているため、筋肉のほぐし→SOTによるブロッキング→AKAによる椎間施術を毎週1回スタートする。開始1カ月半後から寝起きがラクになって来た、と自覚が出始め、3カ月後には痛み・歪みともほぼ消失。この状態を自らも維持出来るよう、水中ウォーキングを始める。が、2度と同じような痛みは味わいたくない、とのご要望で、更に2週に1度の施術を続け、治療開始1年後には不安も完全に消失、職場復帰を果たす。以降は1~2カ月に1度、リラクゼーションのための出張整体施術を行っている。
●KEさん(40代・女性)の場合
しばしば偏頭痛に悩まされているのだが、この半年位はしょっちゅう起きており、どうにかしたい、とご連絡あり。ストレートネックで頚が長く骨盤は離開気味、肩の張りも強い。徹底的な筋肉のほぐしと骨盤矯正・頸椎矯正、ストレートネックのためのPNF施術、自己メンテナンスのための運動練習を毎週1回のペースで行い、3カ月後には好転したため月1~2回の施術ペースに落とし、6カ月後からは治療から美容のための輪郭調整やリラクゼーションのためのマッサージが行えるように。
●TMさん(30代・女性)の場合
何度めかのギックリ腰で、治してくれるつもりのご主人に足を引っ張られ、体がくの字に曲がってしまい、ほぼ寝たきりで10カ月。病院2軒、鍼にも整体にも行ったが治る気配が無く困っている、とご連絡。伺うとほぼ90度に背が曲がって伸びず、腹筋・骨盤底筋群の硬縮著しく、骨盤の歪みに因る腰椎・仙腸関節部の神経痛もあり。時間がかかることをお伝えして毎週1回の施術を始める。強張った筋肉のほぐし→骨盤・背骨の調整→調整した骨格・関節が維持出来るよう筋トレ、を繰り返す事にしたが、強張った筋肉を緩めれば神経痛が増し、簡単な筋トレでも骨格が歪むほど筋力が弱い。緩める・整える・鍛えるを匙加減しながら、ほぼ背中がまっすぐに伸びるまでに10カ月。正しい骨格を維持するための筋力は未だ充分ではなかったため、今後の運動法を伝え、以降、自力でメンテナンス出来ている状態。

大切なのは、おかしいな、と思ったら直ちに治しにかかる事と、
治し始めたら、自力で出来る日々のメンテナンスを怠らない事。
慢性になってしまうか、一時的な症状で済むかは、
あなたの心掛け次第なのです。